「怒りの感情で自分を守っていた私」
みなさんこんにちは。
今まで怒りの感情で自分の弱い部分を守ったり、相手に強い言葉を使って攻撃することで自分を守る術しか知らなかった私が、少しずつ怒りの感情をコントロールできるようになり、ネガティブだった捉え方もポジティブに考えられるようになったことについてお話しさせて下さい。
まずは自己紹介をさせていただきます。
私の名前はNです。仕事は短大を卒業してから12年間、保育士をしています。
現在32歳で主人と二人暮らしをしています。
6年間の交際を経て、結婚して2年が経ちました。
私は愛知県出身、主人は大阪出身で、主人が愛知へ転勤してきた時に偶然名古屋で知り合ったのがきっかけで交際がスタートしました。
私の性格は明るく楽観的でどんな人とも仲良くなれたり、好奇心旺盛なところが長所ですが、あまり考えずに行動し、計画性が無く、熱しやすく冷めやすいところが短所です。
主人は慎重派で感情に左右されずに考えて行動できる人です。実行力や責任感もあるしっかり者ですが、たまに頑固なところがあるので融通がきかなかったり、感情をあまり表現しないタイプです。
主人とはお互い好きなものが一緒なことが多く、気が合います。
2人で旅行にでかけたり、美味しいものを食べに出かけたり、キャンプをしたりもします。インドアな日は2人でダラダラとドラマや映画を見たり、ゲームをしたりしながら過ごすこともあります。
一見、主人とは趣味も合い、休みの日も仲睦まじく過ごしているように思える私たちですが、小さなことでケンカが起きると徐々に大きく膨れ上がっていくようなケンカをすることが多かったです。
きっと皆さんの中にもパートナーとささいなことで喧嘩をしてしまう方がいるかと思います。
同棲を始めたころは洗濯物の畳み方の違いや、トイレの電気の消し忘れなどの生活の違いで喧嘩をすることもあったり、主人が酔いつぶれて帰ってくることで喧嘩することも多かったです。
そんな日々を過ごしている中、とても大きなケンカを起こし、互いを殴り合うほどの大喧嘩をした時がありました。
きっかけはまた主人が飲みすぎて帰ってきて、そのことにイライラした私が責め立てたことが原因でした。
お互いの服は破れ、机の上に押し倒され机の脚が折れるほどの激しい喧嘩でした。
お互い歯止めが効かないような状態で、悲惨な状態でした。
『第三者の人に頼るしかない』と思い、私は母親に助けを求めました。
私の周りの人たちは主人と喧嘩した時のことを話すと必ず『男なのに手を出すなんてありえない』と言います。しかし母は違いました。
「喧嘩のきっかけがどうであれ、なおが嫌な言い方したんじゃないの?あんな温厚な旦那さんを怒らせるなんてよっぽどだと思うよ。」と言われました。
その時、やっと気付きました。いつも喧嘩の発端は主人にありましたが、必要以上に責めたり、嫌な言葉や態度で攻撃していた私にも非があったんだ。小さなことで毎回毎回怒りすぎていたんだ。と。
この時から『なぜ私はこんなにも怒りっぽいんだろう』と疑問を抱くようになりました。
母に助けを求めてから数ヶ月経ち、自分の中で大ごとにならないように気を付けようと過ごしていましたが、再び母に助けを求める大喧嘩が起きてしまいました。
なんでこんなに気を付けていたのにまたこんな喧嘩が起きてしまったの?と怒りをコントロールできなかった自分を強く責めました。私が悪い、私が全部悪い。もう嫌だ。私のせいで色んな人に迷惑をかけている。そんな自分が嫌いになりました。
再び家に来てくれた母に、泣きじゃくりながら自分のことが嫌になったことを話しました。
その時に母から心理学を学んでみたら?と誘ってもらったのが私が心理学を学ぶきっかけとなりました。
以前から母が心理学を学んでいることは知っていましたが、正直『心理学を学んだところで長年生きてきたんだから自分の考えなんてそう簡単に変われないでしょ』と思っていました。
実は母とは昔から喧嘩や言い合いをすることが多く、単純に『気が合わないんだろうな』と思っていました。
しかし、一足先に心理学を学んだ母は温厚で相手の気持ちに寄り添ってくれるような人になったと身近で見ていて感じました。
だから最近私は母に助けを求めるんだなと。母が変わったから相談もしやすくなったんだなと気付きました。
『母は変わったけど私も変われるのかな』と半信半疑で心理学を始めましたが、先に結論を言うと、私でも変わることができたんだと驚いています。
吉田奈美先生に初めて会った時、「怒ってもいいんだよ、人間なんだから。でも相手に求めすぎたり、ぶつけるのは良くないね。怒ってしまった自分に気付けただけでも凄いよ。」と言ってもらえたのを今でも覚えています。
その言葉を聞いて『奈美先生の考え方をもっと知りたい、自分のことももっと知りたい』と思えました。
心理学を学んでいる中でまず初めに気付いたことが『価値観の押し付けをしていた』ことです。
価値観の押し付けとは人それぞれの善悪の基準があるのに自分が正しいかのように相手に押し付けることです。相手に押し付けるのは支配と同じことになってしまいます。
主人と喧嘩になった時、主人は一旦お互い気持ちを落ち着かせてから後日話し合いたいタイプなのですが、私が「喧嘩は次の日に持ち越さない方がいい!」と言ったり、喧嘩の最中もヒートアップしてしまった時に主人は家の外の空気を吸って気持ちを落ち着かせたいのに「なぜ話し合いから逃げるんだ!」と家から出て行くのを禁止していました。家から出て行くという行為がおかしいと思っていた私は主人に価値観の押し付けをしてしまっていました。
以前の私は、私が正しい、私の考えが合っていると思っていたのを無意識に主人に押し付けていて、主人の考えを押し殺してしまっていました。
喧嘩の大きな原因はここにあると思います。普段は全く怒ることがない主人ですが喧嘩の時になると見たこともないような剣幕で怒っていました。
なんで私にだけそんな攻撃的になるの?と思っていましたがずっと主人は我慢をしてくれていたんです。主人が怒る時は今まで我慢していたことが限界になった時でした。
冷静に考えてみれば価値観を押し付けられたら誰でも嫌な気持ちになりますよね。
気が合うと思っていたからこそ、価値観が合わないことが嫌でイライラしてしまっていたのだと思いました。
イライラしながら話すことで相手に尋問、審問、をしてしまっていました。相手の気持ちを知りたいが故に行なってしまっていましたが、尋問、審問をすることで相手を嫌な気持ちにさせてしまっていました。
尋問・審問とはなんでこうしたの?どうしてできないの?と質問攻めにしてしまったり、どうせこうなんでしょ?やっぱりあなたは○○だよね。と決めつけてしまう事です。
主人が飲みすぎて帰ってきた時は「どうして飲みすぎたの?」「気を付けながら飲まなかったの?」「何を何杯飲んだの?」「どうしてこの年にもなって上手にお酒が飲めないの?」などと質問攻めにしてしまっていました。
私は原因を突き止めることで問題が解決するのではないかと考えていましたが、結局いつもイライラしながら話をしていたので尋問・審問に繋がってしまっていたのだと思います。
イライラしたり、尋問や審問をしてしまうことを減らしていくために実践したのが“心の余裕”を大事にすることです。
心の余裕を満たすために自分の中で感じていた小さなストレスを無くしていくことを心掛けました。
例えば、完璧主義だった私は主人が帰ってくる時間に合わせて出来立ての状態でご飯を作っていました。
主人はそんな完璧を求めていないのに自分で自分を追い込んでいるところが多々あったのでもっと力を抜いて生活することを心掛けていくことで少しずつ心の余裕を作っていくことでストローク、いわゆる心の栄養を満たしていくことができました。
ストロークとは相手の存在を認めること、知って、わかって、認めて、ほめる事だそうです。
自分の心を満たし、次に家族にストロークをあげることで激しい喧嘩をすることは無くなってきました。
分かってほしいことを分かってあげたり、何度でも聞いてあげたり、とにかくおしゃべりをしていくことが大切なんだそうです。
私が一生懸命聞いてあげたら、私の話も聞いてくれるようになるということを学びました。
なのでまずは主人の話は趣味の話でも仕事の愚痴でもなんでも聞くようにしました。また、今まではあまり主人のことを褒めることが少なかったので似合う服を着ていた時は「かっこいいね!」と素直に褒めたり、母や友だちに主人の愚痴ではなくいいところを話すようにし、そのことを主人に日常会話の中で伝えるようにしました。「今日お母さんにあなたがしてくれて嬉しかったこと話したら、本当にいい旦那さんだねって言ってたよ!」などと話すことで私だけでなく、第三者からも認めてもらえることでよりたくさんのストロークを感じてもらえるような工夫をしました。
たまには母や友だちに主人の愚痴を言う時もありますが…昔に比べたら格段に減ったと思います。
心理学を学んでから私が今まで価値観の押し付けや、審問・尋問をしてしまったことについて主人に謝った時があるのですが、その時に主人に言われた「俺が我慢すればいい、なおの考えを尊重したいと思ってた。けどやっぱり譲れない所も出てきてしまう時もあった。」と言われた言葉が忘れられません。私はたくさん主人の考えを押し殺してきてしまったんだろうな。望んでいたわけじゃないのにたくさん我慢させて、何も言えないような関係性を無意識に作ってしまっていたんだなととても反省しました。
その次に私が疑問に感じたことは、いつから攻撃的になってしまったのか?です。
友達には怒ったりすることが無いのに、なぜ身近な家族に攻撃的になってしまうのかを考え始めました。
自分の人生を振り返ってみた時に、中学生の時にあったある出来事が引っ掛かりました。
それはいじめです。中学3年生の頃、当時所属していたバスケ部でいじめがありました。バスケ部内では1人ずつ順番にいじめの標的にされることがありましたが、とうとう私にもいじめられる順番が回ってきました。いじめられた理由はリーダーシップがある子を無視したから。それだけです。
そのせいでまず初めにバスケ部内で私を無視することが始まりました。その次は学年全体で無視することが始まりました。
話したこともない子にもSNSで悪口を書かれ、出かけた先で私を見つけると「あいつ◯◯にいたんだけど(笑)」 などと笑い物にされることも多かったです。
中3の修学旅行がある楽しい時期に私はひとりぼっち。当時はあまり仲が良くなかった母にも相談できず、自宅前の道路に飛び出したこともありました。
当時の私には“ひとりぼっち”であることがとても辛く、いなくなりたいと毎日毎日考えていました。けれどやっぱり怖い、家族を悲しませたくない、そんな気持ちの方が強く死ねる勇気はありませんでした。
死にたいけど死にたくない。そんな日々を過ごしながら大嫌いな中学校を卒業し、高校で新しい友達にも恵まれたことで死にたかった気持ちは薄れていきました。
この出来事がきっかけで、私は怒ることで自分の弱い部分を隠し、“私に嫌なことをしてくる人は敵だ”と捉えるようになり、怒りの感情をぶつけることでその“敵”を攻撃して自分を守っていました。
私は嫌われたり、いじめられたりするのが本当は怖かったのだと思います。そして、もうあんな思いは二度としたくないと思うあまり、私に嫌なことをしてくる人には怒りをぶつけることで先制攻撃をしていたのだと気付きました。先制攻撃をすることで相手に弱い自分を隠すことができるし、自分を守ることができるし、自分が優位に立てばいじめられることはないと無意識に学習したのだと思います。つまり、あの頃のいじめをしてくる人たちと重ね合わせ、夫に怒りをぶつけることで弱い自分を守り、思い通りにしたかったのだと思います。
このことに自分で気付くことができたのも心理学のおかげです。
気付けた後はどうするのか?あとは自分の考え方を変えるだけです。
世の中の人々全員に好かれることはできないし、全員と仲良くする必要もないと思えるようになりました。苦手な人もいていい、ただ少し距離を置いて関わればいいんだと思えるようになりました。
挨拶や最低限の会話は大切にするよう心掛けることで苦手な人と関わるストレスも減ってきたように感じます。
“いじめって実際にされた人にしか辛さは分からない”とよく聞きますが、本当にその通りだと思います。
実際にいじめが原因で不登校になってしまったり、命を絶ってしまう人も多くいると思いますが、本当に毎日が辛くて辛くて仕方ありません。誰からも必要とされない、誰も味方してくれないあの小さなコミュニティーは地獄でしかありませんでした。
約20年も経っているのにあの時のことを思い出すと今でも胸が苦しみます。この傷がいえることは無いと思います。
それでも、いじめに絶対に負けなかった私、まずは担任の先生に相談できた私を心から誇りに思えます。
悪いことに立ち向かえる勇気、へこたれない心の強さ、問題を自分で解決しようと思えるように育ててくれた家族には感謝しかありません。
そして、過去は過去。変えることはできません。辛かった、悲しかった、できれば経験したくなかったという思いは今も変わりませんが、辛かった経験をしたからこそ、私は人の気持ちに寄り添える人間になれたと思うし、人の心の痛みを分かってあげられる人間になったと思います。
心理学のおかげで変われた部分がたくさんあります。
まずは自分のことを見つめ直すことができ、自分と向き合うことの大切さを学ぶことができました。
怒りの対処法、怒ってしまうことの原因、それがわかったことで自分を責めてしまうこともなくなり、気持ちもすごく楽になりました。
正直、まだ主人と喧嘩することはあります。けど2人で話し合うこともできるようになったし、何より私は自分の非を認め、謝ることもできるようになりました。
以前までは話し合いを次の日まで持ち越すことがとても嫌でしたが、この話し合いはもっとじっくり時間のある時に話し合った方がいいなと思う時は「休みの日にもうちょっとじっくり話し合おうか」と提案できるようにもなりました。これも自分の心に余裕ができたからこそだと思います。
小さいことでも着実に。一歩ずつ。それを大切にしています。
心理学を通してマイナスだった思考をプラスに変えることができるようになったことは主人との関係性だけでは無く、友人との関係性も、仕事でも役立っています。
今後も自分と向き合うことを続けていきたいと思っています。
家族、友人、職場。色んな場所で人間関係に悩んでいる方がたくさんいるかと思います。しかし、相手のことはそう簡単に変える事はできません。
長年主人と向き合ってきて変えられなかった私が自分の考え方を変えるだけで毎週していた喧嘩が減りました。
幸せになりたい。それならまずは自分を変えてみることから始めてみませんか?
でも自分を変えたいけど、どう変わればいいのか分からない…上手く自分と向き合えない…そう思っている方も多いかと思いますが、悩んでいる方たちにこそ心理学を学んでもらいたいと思います。
自分が幸せになることで周りの人たちにも幸せのおすそ分けができたらみんながハッピーになれるのではないかと思っています。
以上、『怒りの感情で自分を守っていた私』でした。
ありがとうございました。
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