50代、私これからどう生きていけば良いですか?

50代の女性のカウンセリングで、「私これからどう生きていけば良いですか?」

というお悩みをいただくことがあります。

もちろんその人の好きなように生きればいいのですが、ことはそう単純ではありません。

 

 

空の巣症候群

「空の巣症候群」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

 

子どもが家を出たり結婚したりしたときに、多くの両親が感じる憂うつで不安になる苦しみの一般的な信念を表す言葉である。 子育てが終わり、子供が家を巣立っていったあたりからこの症状が出てくることが多いためこのように呼ばれる。

 

子供が自立し、夫は仕事で忙しく夫婦生活もないに等しい。涙もろくなり、夫が定年退職すると即離婚といった方に展開していくこともあります。

 

 

この空の巣症候群になる多くの女性が「好きなように生きると言われても、どう生きていいのかわからない」と悩むのです。

空の巣症候群の特徴

子どもは就職や結婚で家を出て、夫婦2人りきりの生活をしている方やそれに近い方で

・子どもの事が気になってしょうがない

・夫と今更何を話していいのかわからない

・夫と一緒にいると息が詰まる、楽しくない

・夫と一緒に出掛けようという気になれない

・離婚が頭をよぎる

・毎日がつまらない、楽しい事が見つからない、出かけるのがおっくう

・趣味がない、もしくは趣味が楽しくない

・毎日が単調

・私はこのまま老いて死んでいくだけなのか・・・と淋しくなる

・心にぽっかりと穴があいたような気がする

・これからどう生きて行って良いのかわからない

 

どうですか?多ければ多いほど空の巣症候群かもしれませんね。

空の巣症候群ができるまで

一般的に、独身の時は自分のために生きてきたという方が多いと思います。家族と暮らしていたなら家事を率先してやることはなかったと思うし、一人暮らしなら自分のことだけやる。お給料も自分のことだけに使い、家族の生活費や誰かのために使うなどという事はあまりなかったと思います。

 

 それが、結婚して子どもが産まれると自分のためから誰かのために多くの時間やエネルギーを費やようになります。一般的に男性は「守りたい」という気持ちを、女性は「尽くしたい」という性質を強く持っていますから、女性は育児、家事、地域の付き合いなど自分以外の人のために尽くしていきます。それは子どもが成人して、家を出るまで続きます。

 

この時間がとても長いので、女性はだんだんと人に尽くす人生にどっぷりと浸かって行きます。夫のため、子どものため、家族のために、自分の時間ややりたい事を犠牲にして尽くします。

 

これを読んでくださっているあなた自身もそうではないでしょうか?羽目を外して遊んだりお酒を飲み過ぎてしまうこともなく、何をするにも「夕飯前には帰らないと」「子どものお迎えまでには行かないと」「土日は子どもの野球チームの応援」など子どもと夫優先の生活になっているのではありませんか?こうやって、長い時間をかけて女性は「巣」を作っていきます。

空の巣症候群の本質

この「巣」を母親は大切に守っていくわけですが、ヒナだと思っていた我が子は成長してある日巣から巣立っていきます。懸命に巣を守ってきた母親は、そこで燃え尽きてしまうのです。

 

空の巣症候群の本質は「見捨てられ不安」です。

 

子どもが小さい頃は、とびっきりの笑顔で「ママ~!」と懐いてきます。パパではなく、おばあちゃんでもなく、ママであるあなたが一番必要とされてきたのです。子どもが怖いものに怯えている時も、嫌な事も困りごとも悩み事も子どもはみんなあなたを必要として解決してきました。

 

朝子どもたちを起こすところから始まり、ごはんも部活のお弁当も夫のスーツもみんなあなたが用意してきたし、パートから帰くると塾の送り迎えに夕飯の支度、学校行事の参加に進路の相談、土日はクラブチームの送り迎えと応援で1日が終わり、忙しいながらも充実した生活を送ってきたと思います。あなたは家族から必要とされ、とても嬉しかったと思うし充実してきたと思います。

 

ただ、この生活が長く続くといつしか「周りの人から必要とされること=自分の価値」という認識になり、子どもが巣立って必要とされなくなり、夫も自分に都合の良い時だけまるで家政婦のように扱われているような気がしてきて、「私の存在価値ってなんだろう?」となるのです。

 

「自分ではない誰か」に認めてもらうことで充足感を得ていると、その「誰か」の環境が変わったり、価値観や思考が変わったりすると途端に満たされない気持ちになってしまいます。

空の巣症候群にならないために

50代からの人生を素敵に生きるために大切な事は5つです

. 空の巣症候群というものがあるということを知っておく

. 相手からの評価を求めるのではなく、自分で自分を認めてあげるようにする

. 楽しい事や、生きがい、やりがいなどを見つける

. 孤独と個性を尊重する

. 少しぐらいわがままでもいいから、自分のやりたい事をちゃんとやる

 

子供はいつか巣立つという事を常に頭の中に入れ、夫婦二人の生活になるという事を今から意識しましょう。